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2006年08月31日
定時株主総会での任期伸長決議に注意(コラム)
今年の定時株主総会で、現任役員の任期が満了する会社は、新役員の改選と同時に任期伸長の定款変更決議をして任期を10年以内に変更する会社も多いのではないでしょうか。
通常の総会の流れで行くと、新しい役員を選任し、同時に任期10年の定款変更してとの流れになるでしょうか。そして次回の役員変更は10年後・・・・・・・。
ここで一つ、ある問題が発生します。(法律的な細かい話なのですが)
場合によっては、現任役員は退任しないかもしれません。
例えば、平成16年6月20日に現任取締役が就任していたとします。
定款の任期に関する定めは「取締役の任期は、就任後2年内の最終の決算期に関する定時株主総会の終結の時までとする。」であったとします。
通常でしたら平成18年の定時株主総会の終結をもって任期満了退任します。
ところが、同総会で役員の任期伸長(10年)の定款変更をすると、現任取締役の任期は、平成26年6月の定時総会までとなり、今年の総会では任期満了とならない可能性があるのです。
これは、定時株主総会の終結をもって任期満了のはずなのですが、任期の切れる前に定款変更決議をしたことによって任期伸長の効力が発生してしまい、現任取締役の任期も10年に変更になってしまうからなのです。
微妙な法的効力発生の順番の問題なのですが。
現時点では法務局の対応もまだ追いついてない状態で、登記がそのまま通ってしまうこともあるようです(ほとんどが通かもしれません)。
しかし、法的効力の発生から考えても、定款変更決議に工夫をしない限り、これからは登記申請をしても登記できないことがあるかもしれません。
会社の法務部や総務部の方も、この辺りは気をつけて議事録を作成していただき、不安があるようなら法務局に相談するか、司法書士に依頼してください。
司法書士 大竹弘幸
投稿者: 日時: 2006年08月31日 12:23 | パーマリンク | ▲このページの上へ
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