267.売買契約締結の際のローン特約って何ですか？

Q：　　不動産を購入するにあたり、ローン特約付で売買契約を締結しました。このローン特約というのはどのようなものなのでしょうか？

A：　　自宅などの不動産を購入する際、支払金額が高額ですので銀行等に住宅ローンの申し込みをして、融資を受けた上で売買代金を支払うのが一般的です。
この際、銀行の融資の承認がおりない時には、売買契約を白紙に戻すことが出来るという特約を当事者間で結ぶのがローン特約です。
これにより万が一銀行から融資の承認がおりなかった場合でも、買い主は売買代金を支払えないことによる不利益（債務不履行責任など）をのがれることが出来るようになります。

ローン特約の記載内容にもよりますが、基本的には買い主が白紙撤回できる場合が多いでしょう。
しかし、すべての場合で白紙撤回出来るかというとそうではありません。

買い主はこのローン特約により、ローンを成立させる努力義務を負います。
この努力義務を故意に怠った場合（例えば、銀行に金利や返済期間、条件などでむり難題を言って断られた場合など）は、ローン特約がある場合でも白紙撤回が認められない場合もありますので注意が必要です。

ローン特約でトラブルになった時は、契約書にどのような内容が記載されているかによって、結論が異なりますので、よく確認してみてください。

司法書士　大竹弘幸