89.登記済権利証の廃止

Ｑ：　　平成１７年の不動産登記法の改正で登記済権利証が無くなったと聞きましたが本当でしょうか？

A：　　ご質問のとおり、平成１７年の法改正で条文の上からは登記済証（権利証）の制度は無くなりました。

登記済証（権利証）とは、自宅などを購入した際に所有権移転登記をすると、登記所から交付される所有者の権利を証する書面のことで、所有者が不利益を受ける登記をするときに必要となります。

年輩の方たちなどは、仏壇にしまったりして大事にもっていますよね。

条文の上では、権利証にかわり「登記識別情報」というものが発行されるようになりました。

登記識別情報というのは、紙に記載された英数１２ケタのパスワードのことです。

　この制度の変更は、電子政府政策の一環で、インターネットで登記申請をできるようにとの趣旨で改正がされたのですが、登記済証（権利証）のままでは、当然ですがオンラインで法務省のコンピュータ端末に送ることは出来ません。

そこでインターネットでも送信することが出来る、パスワードになったのです。

ところで、「今もっている権利証もパスワードに変わってしまうの？」と心配される方もいらっしゃるかと思います。

でもご安心ください。お持ちの登記済証（権利証）が勝手にパスワードに変わってしまうことはありません。

今お持ちの権利証はこれからもずっと有効なものとして使えます。

現在、権利証をお持ちの方は、不動産の名義を変えたりしない限り、登記所から一方的にパスワードに切り替えられることはありませし、権利証と重ねて発行してもらうこともできません。

司法書士　大竹