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2006年09月13日
155.相続の昔(一般向)
Q: 昔の相続はどのような制度だったのでしょうか。
A: 遺産は、現在は亡くなった方個人の財産という観点で規定されていますが、昭和22年まではまったく違う相続制度でした。
昔は「家」という制度があり、配偶者や子供たちは勝手には相続できませんでした。
「家」は、一族を1つの集合体と考えて、親戚なども1つの家の戸籍に全員が記載されていました。
今は「家族単位」に戸籍が作られますので、だいぶ考え方が違いますよね。
「家」の中では、「戸主」という一番偉い人がいて、その一族の人が結婚したり、養子縁組したりするにも、必ず戸主の同意がなければ出来ないようになっていたのです。
財産はその「家」の財産と考えられていたので、基本的には分配という考えもありませんでした。
ここでの相続形態は「家督相続」というものでした。
みなさんもこの言葉は聞いたことはあるのではないでしょうか。
原則的には、その戸主が死亡したり、隠居(こんな制度もありました)した場合には、その長男子のみが相続します。
配偶者や他の子供たちはまったく相続できなかったのです。
家を継いだ長男が、当然にその家の全財産も相続制度でした。
今でも長男が家を継ぐとていいますが、この昔の制度の名残があるのではないでしょうか。
(今でも、地方ではこの昔の「家」制度の考え方が根強く残っています。この制度を経験してきた人たちがまだたくさんご存命なので、当然といえば当然ですが・・・・)
司法書士 大竹弘幸
投稿者: 日時: 2006年09月13日 22:23 | パーマリンク | ▲このページの上へ
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