276.遺言書に記載できること

Q：　　遺言書を作成し、内容として「子供達は兄弟仲良く、お母さんを大切にしてください」と書きたいと思いますが、法的な効力はあるのでしょうか？

A：　　遺言は個人の最終的な意思表示を、残された者に表す行為です。
基本的には書く内容には制限はありません。

しかし、法的効力の面からは、書いた内容により違いがあります。
これは法的に効力が生じるものと、道義的責任が発生するにとどまるものにわけられます。

まず、民法では法律に定める事項のみ（遺言事項といいます）法的な効力が発生することとされ、遺言事項が限定されています。

法的効力が発生する具体的遺言事項は、下記を参照ください。
遺言書に書くと効果があること

それ以外の事項については、遺言書に書くことはできますが、相続人等に対する法的な拘束力はなく、道義的に尊重されるにとどまります。

例えば、遺言書で「遺産分割を３年間禁止する」と書くと、相続人は３年間は遺産分割をすることは出来なくなりますが（民法第９０８条）、「兄弟仲良く暮らすように」との遺言をしても、法律上「兄弟仲良く」することを強制することはできません。

司法書士　大竹弘幸